2018年3月16日金曜日

第494回 今日庵業躰 泉本宗悠先生「茶花について」

寒い冬が過ぎ春の陽気がようやく私たちの前に姿を見せ始めました。

三月度の教養講座は、今日庵業躰の泉本先生にお越しいただき、茶花のお話をしていただきました。

茶事の趣向やお迎えするお客様、そして季節感などを考えて生ける茶花はおもてなしの大事な要素であり、茶花によってお客様とどのように対話をするのかをご教授いただきました。
また、教養講座のスタッフ達が生けた真行草とりどりの茶花について、一つ一つ丁寧にご講評をいただきました。

先生の歯切れのいいお話しは大変わかりやすく、そして時に会場を和ませるユーモアあふれるご講義で、聴講に来られた皆様も笑顔で会場を後にされました。

今回は先生からのご提案で、ビデオカメラを使って舞台上の茶花の表情をスクリーンに映し出しました。

角度の違いでずいぶん見え方が違うこともわかりやすくご説明頂き、新しい講座のスタイルに挑戦した素晴らしいひと時となりました。

お忙しい中、ご講演頂きました泉本先生に改めて御礼申し上げます。



大阪四青年部連合会 会長 長谷川幸則








2018年2月27日火曜日

今年度がスタートしました

2018年度も皆様のおかげをもちまして、53年目の教養講座をスタートすることになりました。
お家元始めご宗家の皆様、総本部、大阪四支部の先生方、そして熱心にご受講いただく会員の皆様に改めて御礼申し上げます。

今年度第一回目の講義は、哲学者、宗教学者でもいらっしゃる国際伝統藝術研究会会長の倉澤行洋先生にお越しいただきました。

控え室で名刺をお渡ししてご挨拶した時にお顔を拝見すると、なんとも柔らかな優しい笑顔で声をかけていただきました。
「長谷川さんは、幸則さん、私も行洋です。同じ  ゆきですね。」
御歳84歳をお迎えになるとは思えないほど凛とした佇まいで、とてもお元気な先生だなという印象を持ちました。

お題は「守る 破る 離れる 再考」
三年前の「守破離」のテーマのご講義をさらに深めて、新たな様々なご考察を紹介いただきました。

茶道などの芸道における守る・破る・離れるという三段階の修行過程の精神論、それはスポーツの修練とも通じるように思え、今まさに平昌オリンピックでの感動の裏にある秘話などと被るようにも感じました。

興味深かったのは、西洋にもこの「守破離」と似通った思想があるということで、その共通点と違いについてもニーチェの思想を例にわかりやすくご説明いただきました。
西洋と東洋両方の哲学、思想に造詣が深い先生の切り口は、まさに今のグローバル化社会への問題定義にも聞こえる意義深いお話でした。

あらゆる芸事や生き方にも通じる大変深いお話で、倉澤先生の世界観に会場全体が引き込まれる不思議なひと時でした。

御同行された秘書の朴さんとご一緒に見えなくなるまで手を振っていただくお姿から、先生のお人柄に触れることができる素晴らしい第493回目の講座となりました。


大阪四青年部連合会
会長 長谷川幸則

第493回 倉澤行洋先生「守る 破る 離れる 再考」 

2月23日は、国際伝統藝術研究会会長の倉澤行洋先生のご講義でした。

・「守」とは、「無我の心」をもって師の教えを忠実に守ること。
・「破」とは、修行を積んで得た「無我の我の心」が「守」を破ること。
・「離」とは、守る心からも破る心からもすっかり離れた「遊戯三昧」の境地。

この「守破離」と同じ解釈ができる思想について、西洋のニーチェ、川上不白、珠光を例に取って解説くださいました。

「守」・「破」を経て「離」の心でもてなす茶会とは、「夏は涼しく、冬はあたたかに・・・」の境地に至るのだという先生の最後のお言葉に感銘を受けました。

2017年11月23日木曜日

11月教養講座を終えて by長谷川


今年の最終講義となりました11月は、日本文化や茶道の歴史を様々な視点から研究されておられる神津先生にお越しいただきました。

会場はいつものように多くの受講者にお集まりいただきました。
茶事の歴史ということで、皆さんどの部分を掘り下げてお話をされるのか、大変興味深く拝聴されていました。
神津先生のご講義は私のような初心者にも大変聞きやすく、あっという間の90分間を楽しむことができました。

私の認識では、千利休以降に戦国大名を中心に茶の湯の文化が発展し今日のお作法につながっていることは理解していましたが、それ以前の茶文化がどのように発展し、誰によって楽しまれたのかを知るきっかけはこれまでありませんでした。

それゆえ、どちらかというと茶の湯には堅苦しいイメージを持っていましたが、本能寺の変の頃までは町人たちの中で広まっていた文化であり、大切な客人にひと時の安らぎを感じてもらうという、とっても大切なコミュニケーション手法であったことを今回の先生のお話から知ることができました。
つまりは、そのころの茶の湯の楽しみ方は実にシンプルで、現代の私たちが茶の湯を楽しむ本質を導き出してくれるヒントがたくさんあることを学びました。

日本文化全般に大変造詣が深い神津先生に、また違った角度から日本の素晴らしさやお茶の素晴らしさをご紹介いただく機会がこの教養講座で増えることを願ってやみません。
神津先生の今後ますますのご活躍をご祈念申し上げます。



大阪四青年部連合会

会長 長谷川幸則

第492回 神津朝夫先生「茶会(茶事)の歴史」 

11月16日、今年度最後の教養講座は、茶道史家の神津朝夫先生によるご講演でした。

現在は「茶会」と「茶事」とを区別していますが、本来「茶会」とは茶事のことであったそうです。
「初座で料理を食べ、中立があり、後座で濃茶を飲む」
この原形をもとに、時代の流れの中で様々な趣向や約束事が生まれてきて、現代の形式に変遷してきた経緯を解説くださいました。
またスライドでも、その変遷が見て取れる写真や屛風絵などの貴重な映像を見せていただきました。

最後に先生から、「今の茶事作法を前提に、約束通りの露地と茶室が無いので茶事はできない、と考えないでほしい。マンションの通路を通って茶室へ、中立はベランダのベンチ、つくばいは桶か鉢、というのは、むしろ利休が若い頃の正式な茶事の方法にきわめて近い。」
というお言葉をいただき、「茶事」が身近なものに感じられました。





2017年10月31日火曜日

第491回 今日庵業躰 松井宗豊先生「灰と灰形について」

10月25日水曜日、今日庵業躰の松井宗豊先生にお越しいただきました。

灰や灰形について何も知らない人が聞いてもわかるようにと、初歩的なお話から始めてくださりました。
最初に灰と風炉の種類について、次に灰形の種類についてご講義いただきました。

スライドの写真で、灰形を作る道具や、灰形についてご教示くださり、それぞれの灰形の特徴や具体的な作り方のポイントをわかりやすく丁寧にご解説くださいました。
藁灰や大炉の灰など拝見する機会の少ない灰や、火入れの灰についても映像をもとにご説明くださりました。

最後の質疑応答にも丁寧にご回答くださり、灰と灰形についての理解が深まりました。







2017年9月28日木曜日

第490回 特別展覧「手にふれる樂茶碗鑑賞会」

9月24日(日)、京都市上京区の樂美術館にて、「手にふれる樂茶碗鑑賞会」を、午前二回午後二回のグループに分かれて体験させていただきました。

まずは樂焼の特徴・制作過程が詳しく解説されたビデオを拝見し、露地を通り広間の茶室に移動しました。
自然光の茶室にて、四代一入の黒樂平茶碗「暁天」を、そして次に、当代作の焼貫黒樂茶碗「媧」を、実際に手にとってゆっくり鑑賞させていただきました。学芸員の方のご解説も大変勉強になりました。

後の自由時間には美術館の夏季展「楽焼って何だろう?」を拝見いたしました。